「透明な接着剤を使ったのに、しばらくしたら接着部分が黄色くなってしまった」「接着したところが白く曇ってしまった」という経験はありませんか?接着剤は種類によって、時間が経つと黄色く変色(黄変)したり、白く変色(白化)したりすることがあります。せっかくきれいに仕上げても、接着部分が変色すると見た目が台無しです。
そこで本記事では、透明タイプの接着剤4種類をステンレス製の金具に塗り、日光が当たる窓際に1か月置いて、どれだけ変色するかを比較検証しました。

この記事を読めば次のことがわかります。
- 日光(紫外線)で変色しにくい接着剤はどれか
- 接着剤が黄色くなる原因・白くなる原因
- 変色させないための接着剤の選び方と使い方のコツ
筆者はプライム市場上場企業で10年以上、さまざまな接着剤を扱ってきた現役の技術者です。その経験と実際の検証結果をもとに、初心者の方にも分かりやすく、信頼できる情報にまとめています。接着部分の黄ばみや白化に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
最も変色しなかった接着剤は「ハイグレード模型用」
変色のしにくさを比較した接着剤をランキング形式でご紹介します。商品名をタップすると詳細説明の章に移動できます。
| 商品 | 参考価格 | 1か月後の変色 | 屋外・水回り | 購入リンク |
| 1位 ハイグレード模型用 | 787円 | 変色なし | × | |
| 2位 ロックタイト クイックミックス | 816円 | やや黄変 | 〇 | ![]() |
| 3位 スーパーXゴールド | 691円 | 黄変 | 〇 | ![]() |
| 4位 アロンアルフア EXTRA 速効多用途 | 566円 | 白化 | × | ![]() |
最も変色しにくかったのは、セメダイン「ハイグレード模型用」でした。1か月間日光に当て続けても、塗ったときと変わらない透明な状態を保っていました。
ただし「ハイグレード模型用」は屋外や水回りには使えないため、屋外で使うものを変色させたくない場合は、2位のHenkel「ロックタイト クイックミックス」がおすすめです。
次の章から検証方法と結果を詳しく説明していきます。
変色の検証方法
今回は、ステンレス製の金具に各接着剤を塗布し、24時間硬化させた後、日光がよく当たる窓際に1か月間置いて変色の様子を比較しました。


日光が当たる場所を選んだのは、接着剤が黄色く変色する主な原因が「紫外線」だからです。セメダイン公式サイトでも次のように説明されています。
実は、この黄色く変色してしまう理由は「紫外線」なんだとか。太陽光だけでなく、蛍光灯などでも長時間浴びていると、このように色が変わってしまうことがあるそう。
出典:セメダイン公式サイト
つまり、日光がよく当たる窓際は、接着剤にとって変色が起こりやすい厳しい環境です。この条件で変色しなかった接着剤は、室内の照明の下ではさらに変色しにくいと考えられます。
今回の検証は窓ガラス越しの日光で行いました。屋外で直射日光を受ける場合とは条件が異なるため、結果は目安としてご覧ください。
変色の検証結果
第1位:セメダイン「ハイグレード模型用」|変色なし

第1位はセメダイン「ハイグレード模型用」です。1か月日光に当てても、まったく変色しませんでした!

塗ったときの透明な状態のまま、黄ばみも白い曇りも見られませんでした。セメダインの公式サイトでも「黄化とはほぼ無縁」と紹介されており、接着剤の早見表でも黄変は「おこりづらい」とされています。(出典:セメダイン公式サイト)
「ハイグレード模型用」は無溶剤の水性タイプで、プラスチックや金属、ゴム、紙などに使えます。プラモデルのクリアパーツのように、透明感を保ちたい部分の接着に向いた接着剤です。
一方で、公式サイトには水ぬれする箇所や屋外では使用できないと記載されています。また、固定されるまでに2~3時間かかるため、すぐに固めたい作業には向きません。(出典:セメダイン公式サイト)
なお、今回は変色のしにくさだけを検証しており、接着強度は測定していません。
変色させたくない室内の小物やクリアパーツの接着に最適な1本。ただし、屋外や水回りには使えない点に注意が必要です。
第2位:Henkel「ロックタイト クイックミックス」|やや黄変

第2位はHenkel「ロックタイト クイックミックス」です。1か月後、黄色みが出たものの、透明感は保っていました。

「ロックタイト クイックミックス」は、2つの液を混ぜて固めるエポキシ系接着剤です。セメダイン公式サイトの早見表でも、エポキシ系接着剤(セメダイン「エクセルエポ」)は黄変が「比較的おこりづらい」とされています(出典:セメダイン公式サイト)。今回の結果もそれに近いものとなりました。
「ロックタイト クイックミックス」は、当ブログの木材×ステンレスの強度比較で40kgを超える強度を記録して第1位になった接着剤でもあります。耐水性・耐候性にも優れているため、屋外や水回りで使うものを、変色しにくく強力に接着したい場合に適しています。

専用ノズルから押し出すだけで2つの液が自動的に混ざるため、計量や混合の手間がかからないのも特長です。ただし、付属のノズルは使い捨てで2本しか入っていないため、3回目以降は替えノズルが必要になります。
屋外や水回りで、強度と変色しにくさの両方を求めるならおすすめの1本。
第3位:セメダイン「スーパーXゴールド」|黄変

第3位はセメダイン「スーパーXゴールド」です。1か月後、はっきりと黄色く変色していました。

セメダイン公式サイトの早見表でも、「スーパーXゴールド」は黄変「あり」とされています(出典:セメダイン公式サイト)。今回の検証でも、その通りの結果となりました。
一方で「スーパーXゴールド」は、金属・プラスチック・木材・ガラスなど幅広い素材に使え、水や衝撃に強く、屋外でも使用できる万能接着剤です。当ブログでもさまざまな修理やDIYに使用しています。
セメダイン公式サイトによると、黄変は接着面からはみ出して紫外線に当たる部分で起こるため、はみ出さないように適量を塗ることで目立ちにくくできます(出典:セメダイン公式サイト)。日光が直接当たらない場所の接着や、はみ出しを抑えられる接着であれば、実用上は十分に使える接着剤です。
強度・耐水性・使いやすさ重視の万能タイプ。日光が当たる場所では、はみ出さないように塗るのがポイント。
第4位:コニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」|白化

第4位はコニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」です。乾燥後に、接着剤が白く変色していました。

これは紫外線による黄変とは別の、「瞬間接着剤の白化現象」と呼ばれるものです。瞬間接着剤メーカーのアルテコの公式サイトでは、白化の原因を次のように説明しています。
その原因は瞬間接着剤の主成分であるシアノアクリレートにあります。固まる前の瞬間接着剤から微量のシアノアクリレートが揮発し、周囲の空気中の水分と反応して白い粉のようになります。
出典:株式会社アルテコ公式サイト
つまり白化は、日光に当てたから起こるのではなく、接着剤が固まる過程で起こる現象です。同じページでは、白化しても瞬間接着剤の性能や品質には問題がないとも説明されていますが、透明な仕上がりが必要な場所では見た目が気になります。
「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」は、数秒で固定できる手軽さと高い接着強度が魅力の瞬間接着剤です。当ブログのABS樹脂×ステンレスの強度比較では、試験片のフックが先に壊れるほどの強度で同率1位になりました。見た目よりも、速さと強さを重視する接着に向いています。

速さと強さを重視するなら有力な1本。ただし白化しやすいため、透明な仕上がりが必要な場所には不向き。
接着剤の黄ばみ・白化を防ぐ4つのコツ
今回の検証結果と各メーカーの情報をもとに、接着部分の変色を防ぐコツをまとめました。
①変色しにくい接着剤を選ぶ
最も確実なのは、変色しにくい接着剤を選ぶことです。室内で使うものなら「ハイグレード模型用」、屋外や水回りで使うものなら「ロックタイト クイックミックス」のように、使う場所に合わせて選びましょう。
②接着剤をはみ出させない
黄変は、接着面からはみ出して紫外線に当たる部分で起こります。接着剤は必要な量だけを薄く塗り、はみ出した場合は固まる前に拭き取りましょう。
③瞬間接着剤は塗りすぎず、湿気の多い日を避ける
瞬間接着剤の白化は、はみ出した部分や固まるのが遅い部分で起こりやすくなります。塗りすぎないことに加えて、湿度が高いと白化しやすいため、雨の日や加湿器をつけた部屋での作業は避けましょう。
④日光が直接当たる場所を避ける
接着したものを飾る場所にも気を配りましょう。窓際など日光が長時間当たる場所を避けるだけでも、黄変の進行を抑えられます。
まとめ:変色させたくないなら「ハイグレード模型用」、屋外なら「クイックミックス」
本記事では、接着剤4種類をステンレス製の金具に塗り、日光が当たる窓際に1か月置いて変色のしやすさを比較しました。
その結果、最も変色しなかったのはセメダイン「ハイグレード模型用」でした。透明な仕上がりを長く保ちたい室内の小物やクリアパーツの接着に最適です。ただし屋外や水回りには使えないため、屋外で使うものには、黄色みは出たものの透明感を保ったHenkel「ロックタイト クイックミックス」がおすすめです。
今回の比較結果を一覧表にまとめました。使う場所や仕上がりに合わせて、接着剤選びの参考にしてください。
今回比較した接着剤のうち、「ロックタイト クイックミックス」「スーパーXゴールド」「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」は、接着強度も実測して比較しています。変色のしにくさだけでなく、強度も重視して選びたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。





