「除湿機のタンクを落として割ってしまった」「ヒビから水が漏れて使えない…タンク以外は壊れていないのに、除湿機ごと買い替えるのは高くてもったいない」とお困りではありませんか?
実は、割れた除湿機のタンクは、正しい接着剤と手順を選べば自分で修理できます。タンクの多くは接着剤がつきにくいポリプロピレン(PP)製ですが、プライマー(下塗り剤)を併用することでしっかり接着できます。


この記事を読めば次のことがわかります。
- 除湿機のタンクに使える接着剤
- 水漏れしないように修理する手順
- 失敗しないためのコツ・注意点
筆者はプライム市場上場企業で10年以上、接着技術に携わっている現役の技術者です。その経験をもとに、初心者でも失敗しない修理方法を分かりやすく解説します。
使用するのは「プライマーPP7F」と「スーパーXゴールド」
今回の修理に使用するのは、セメダインの「プライマーPP7F」と「スーパーXゴールド」の組み合わせです。

この組み合わせを選んだ理由は次の3つです。
- タンクの素材がポリプロピレン(PP)だから:PPは一般的な接着剤ではほとんどくっつかない難接着素材です。プライマーPP7Fを下塗りすることで、接着剤がつく状態に変えられます
- 水に強い接着剤が必要だから:タンクは常に水に触れる部品です。スーパーXゴールドは硬化後の耐水性に優れており、水回りでも使えます
- 割れた隙間を埋める必要があるから:スーパーXゴールドは粘度が高く垂れにくいため、ヒビや欠けの隙間を埋めながら接着できます
サラサラした低粘度の瞬間接着剤では隙間を埋められず、水にもあまり強くないため、タンクの修理には不向きです。
【安全上の注意】プライマーPP7Fは溶剤を含んでいます。使用時は必ず換気を行い、火気のない場所で作業してください。
除湿機のタンクを接着する手順
それでは実際の手順を紹介します。ポイントを押さえれば、DIY初心者でも失敗しにくい方法です。

ステップ1:タンクの水気と汚れを取り除く
まずタンクの水を完全に捨て、割れた部分とその周辺の水気をしっかり拭き取ります。次に、エタノールを染み込ませたキッチンペーパーで接着面の汚れ・油分を丁寧に拭き取ります(脱脂)。この下処理で接着強度が大きく変わります。

ティッシュペーパーは繊維が残りやすいため使わないでください。また、水気が残っていると接着不良の原因になるので、完全に乾かしてから次のステップに進みましょう。
ステップ2:割れた面に「プライマーPP7F」を塗布する
割れた面(接着剤を塗布する面)にプライマーPP7Fを塗り、乾燥させます。このプライマーが、接着剤がつきにくいポリプロピレンの表面を「接着できる状態」に変えてくれます。

プライマーの塗り忘れがあると、その部分だけ接着できず水漏れの原因になります。割れた面全体にムラなく塗るのがコツです。
ステップ3:「スーパーXゴールド」を隙間を埋めるように塗る
プライマーが乾いたら、割れた面にスーパーXゴールドを塗ります。ヒビや欠けがある部分には、隙間を埋めるように少し多めに乗せるのがコツです。スーパーXゴールドは粘度が高く垂れにくいので、タンクの側面のような縦の面でも作業しやすいです。

ステップ4:24時間以上おいて完全に硬化させる
接着剤を塗った後は、24時間以上触らずにそのまま静置します。このとき、接着剤が垂れないように、写真のように接着面を上に向けた状態で静置してください。また、完全に硬化する前に水を入れると、剥がれや水漏れの原因になるため、絶対に避けてください。

ステップ5:水を入れて水漏れをチェックする
完全に硬化したら、タンクに水を入れて漏れがないか確認します。修理した部分の周りにキッチンペーパーを当てると、少しのにじみでも見つけやすいです。


実際に、今回修理したタンクに水を入れて確認したところ、水漏れはありませんでした。プライマーを使った正しい手順で接着すれば、この方法でしっかり直せます。
もし水がにじむ場合は、水を捨てて乾かしたあと、その部分にスーパーXゴールドを上塗りして再度24時間硬化させてください。
まとめ
割れた除湿機のタンクを修理する手順は次のとおりです。
- タンクの水気と汚れを取り除く(脱脂)
- 割れた面にプライマーPP7Fを塗布して乾燥させる
- スーパーXゴールドを隙間を埋めるように塗る
- 接着面を上に向けて24時間以上静置し、完全に硬化させる
- 水を入れて水漏れをチェックする
特に重要なのは、「プライマーを省かないこと」と「完全硬化まで水を入れないこと」の2点です。ポリプロピレンは接着が難しい素材ですが、この手順を守れば、水漏れなくしっかり修理できます。
今回と同じ「プライマーPP7F+スーパーXゴールド」の組み合わせでは、傘の持ち手やドライヤーのノズルの修理も紹介しています。同じくポリプロピレン製品の修理なので、あわせて参考にしてみてください。


また、ポリプロピレンに使える接着剤6種類の強度を実際に比較した記事もあります。接着剤選びで失敗したくない方は、ぜひこちらもご覧ください。

