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【徹底比較】ABS樹脂と木に使える接着剤6種類の強度を比較

アイキャッチ(ABS樹脂と木材) 比較・検証
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3Dプリンターで作ったABSパーツや市販のおもちゃ、フックやケースなど――ABS樹脂を木材にしっかり固定したいと考えたとき、「剥がれない接着剤はどれ?」「瞬間接着剤で大丈夫?」と迷ったことはありませんか。

接着剤はくっつける物の材質によって性能が大きく変わります。そのため、木材とABS樹脂をくっつける場合は、その両方を接着できる接着剤を選ぶ必要があります。

本記事では、市販の接着剤6種類を実際に使用し、ABS樹脂×木材の接着強度を同一条件で測定・比較しました。

ABS樹脂と木材の接着強度を比較した接着剤

破壊試験による実測データをもとに、「最も強い接着剤はどれか」「用途別にどれを選べば失敗しないか」を具体的に解説します。数値と検証写真を示しているため、感覚ではなく根拠をもって選ぶことができます。

筆者はプライム市場上場企業で接着関連業務に長年携わり、素材別の接着評価や強度試験を日常的に行ってきました。その実務経験と検証結果をもとに、DIYから実用補修まで安心して使える接着剤選びをサポートします。ABS樹脂と木材を確実に接着したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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最強の接着剤は「EP001N」と「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」

強度を測定した接着剤をランキング形式でご紹介します。商品名をタップすると詳細説明の章に移動できます。

ABS樹脂と木材を接着した際に最も高い接着強度を示したのは、セメダイン「EP001N」とコニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」の2製品でした。いずれも接着面が剥がれる前にABS樹脂側が破損するほどの高い強度を発揮しており、強度重視で選ぶ場合の有力な選択肢といえます。

次の章から測定方法と測定結果を詳しく説明していきます。

接着強度の測定方法

本検証では、ダイソーで販売されているABS樹脂製フックと工作用木材(桐)を使用しました。各接着剤でABS樹脂と木材を接着し、24時間以上しっかり硬化させた後、フックを剥がすのに必要な力を測定しています。

ABS樹脂製フック
使用木材 ダイソー 工作材料
ABS樹脂製フックを接着した木材
ABS樹脂と木材の接着強度測定方法

接着強度測定結果

同率1位 セメダイン「EP001N」

セメダイン EP001N

第1位は同率でセメダイン「EP001N」です。
接着剤の色は薄いクリーム色、強度は41.12kg以上、0.124kg/mm²以上です!
ABS樹脂製のフックが先に壊れて強度の測定ができないほど強力にくっついていました。

EP001N 完全硬化後の外観
EP001N 接着強度

「EP001N」はエポキシ系接着剤で、耐水性に優れているのも大きな特長です。水回りや湿気の多い環境でも使用でき、屋内外問わず安定した接着が期待できます。

一方で以下の注意点も覚えておいてください。硬化後の接着剤は薄いクリーム色になるため、接着部が見える用途では外観に影響する可能性があります。また、2液混合タイプのため、使用前に計量・混合が必要で、瞬間接着剤などの一液タイプと比べると準備や作業にやや手間がかかります。

圧倒的な接着強度と優れた耐水性を備えた高性能エポキシ接着剤。見た目よりも強度を重視する用途に最適な一本といえるでしょう。

同率1位 コニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」

アロンアルフア EXTRA 速効多用途

もう1つの同率1位はコニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」です。
接着剤の色は透明、強度は34.06kg以上、0.103kg/mm²以上です!
こちらもABS樹脂製のフックが先に壊れて強度の測定ができないほど強力にくっついていました。

アロンアルフア EXTRA 速効多用途 完全硬化後の外観 ABS樹脂と木材
アロンアルフア EXTRA 速効多用途 接着強度 ABS樹脂と木材

本製品は瞬間接着剤のため、混合不要でそのまま使用できる手軽さが大きな魅力です。さらに硬化後は透明のため、接着部が目立ちにくく、外観を重視する用途にも適しています。この点は、クリーム色に硬化する「EP001N」との大きな違いです。

一方で、瞬間接着剤の特性上、耐水性はありません。そのため、水回りや湿気の多い環境での使用には不向きです。使用場所が屋内で乾燥環境に限られる場合に適した接着剤といえるでしょう。

圧倒的な接着強度に加え、混合不要・透明仕上げという扱いやすさを兼ね備えた高性能瞬間接着剤。水回りで使用しない条件であれば、非常に有力な選択肢です。

第3位 セメダイン「ABS用」

セメダイン ABS用

第3位はセメダイン「ABS用」です。
接着剤の色は透明、強度は33.26kg、0.100kg/mm²です!
フックが破損するほどではなかったものの、高い接着強度を記録しました。ABS樹脂専用接着剤という位置づけから、ABS樹脂×木材ではそこまでの強度は出ないと予想していましたが、想定以上に優秀な結果となりました。

セメダイン ABS用 完全硬化後の外観 ABS樹脂と木材
セメダイン ABS用 接着強度 ABS樹脂と木材

本製品は、ABS樹脂表面をわずかに溶かして接着する「溶着型」の接着剤です。そのためABS側との密着性が非常に高く、耐水性にも優れています。さらに、30mlで200円前後と価格が非常に手頃なのも大きな魅力です。コストパフォーマンスの高さは、今回の検証製品の中でもトップクラスといえるでしょう。

一方で、使用時にはいくつか注意点があります。

  • 接着剤は必ずABS樹脂側に塗布すること
  • ABS樹脂を溶かすため、外観を重視する部分に付着すると表面が傷む可能性がある
  • 溶剤を含むため、使用時は十分な換気が必要

取り扱いを誤ると素材を傷めたり、剥がれる可能性があるため、使用条件を理解したうえでの使用が重要です。

手頃な価格ながら、高い接着強度と耐水性を発揮するコストパフォーマンスに優れた接着剤。溶剤の取り扱いに注意できる環境であれば、有力な選択肢となるでしょう。

第4位 セメダイン「スーパーXゴールド」

セメダインのスーパーXゴールド

第4位はセメダイン「スーパーXゴールド」です。
接着剤の色は透明、強度は23.94kg、0.072kg/mm²です!
第4位という結果でしたが、接着強度は20kg以上を記録しており、日常用途であれば十分すぎる性能といえます。

スーパーXゴールド 完全硬化後の外観 ABS樹脂と木材
スーパーXゴールド 接着強度 ABS樹脂と木材

本製品は混合不要の一液タイプ・無溶剤接着剤で、開封してそのまま使用できる手軽さが大きな特長です。2液エポキシのような計量や混合の手間がなく、作業性に優れています。

さらに、耐水性も高く、水回りや湿気のある環境でも使用可能です。硬化後は透明になるため、接着部が目立ちにくく、外観を重視する用途にも適しています。強度・耐水性・作業性・見た目のバランスが非常に良く、「極限の強度までは求めないが、失敗したくない」という用途に向いている接着剤です。

十分な接着強度に加え、混合不要で扱いやすく、耐水性・透明仕上げも兼ね備えたバランス型接着剤。性能と作業性を両立した使い勝手の良い一本といえるでしょう。

第5位 Henkel「ロックタイト 木工用強力接着剤 速乾」

Henkel ロックタイト 木工用強力接着剤 速乾

第5位はHenkel「ロックタイト 木工用強力接着剤 速乾」です。
接着剤の色は薄い白色、強度は8.49kg、0.026kg/mm²です!
接着強度は10kg未満で、ABS樹脂×木材の組み合わせでは、十分とは言い難い数値です。

ロックタイト 木工用強力接着剤 速乾 完全硬化後の外観 ABS樹脂と木材
ロックタイト 木工用強力接着剤 速乾 接着強度 ABS樹脂と木材

「ロックタイト 木工用強力接着剤 速乾」は、木工用接着剤の中では最も高い接着強度を示した接着剤です。(木工用接着剤の強度比較結果については、こちらの記事をご覧ください。)

木工用接着剤は、木材に染み込んで繊維内部で固化することで強度を発揮するタイプの接着剤です。そのため、表面が平滑で接着剤が浸透しないABS樹脂とは構造的に相性が良くありません。

木材同士の接着では非常に優秀ですが、ABS樹脂との異種接着には不向きといえます。ABS樹脂と木材をしっかり接着したい場合は、上位にランクインした専用設計の接着剤を選ぶことをおすすめします。

木材同士では高い接着強度を発揮する優秀な接着剤です。しかし、ABS樹脂との接着には適さないため、ABS樹脂×木材の接着には上位の接着剤を選びましょう。

第6位 Henkel「ロックタイト ノー・モア・ネイル」

ロックタイト ノー・モア・ネイル

第6位はHenkel「ロックタイト ノー・モア・ネイル」です。
接着剤の色は白色、強度は5.58kg、0.017kg/mm²です!
接着強度は6製品の中では最も低い数値でした。ABS樹脂×木材の接着においては、強度面で十分とはいえません。

ロックタイト ノー・モア・ネイル 完全硬化後の外観 ABS樹脂と木材
ロックタイト ノー・モア・ネイル 接着強度 ABS樹脂と木材

ABS樹脂と木材には不向きのため、強力にくっつけたい場合は上位の接着剤を使用してください。

ABS樹脂×木材で高い接着強度を求める用途には不向きです。確実に強く接着したい場合は、上位の接着剤を選びましょう。

測定方法の補足

今回検証した接着剤はいずれも強力なため、引張方向(垂直に引き離す方向)で試験を行うと、接着面が剥がれる前にフックや木材そのものが破損してしまう可能性がありました。

そこで本記事では、接着剤そのものの強度をより正確に比較するため、引張方向の50〜70%程度と言われるせん断方向(接着面を横にずらす方向)の強度で評価を行っています。

引張方向とせん断方向の強度

画像左半分:Force Channel(株式会社イマダ) より引用

本記事で示す数値は「この荷重で必ず剥がれる」という絶対的な限界値ではありません。実際の使用条件が引張方向主体であれば、今回の結果より高い荷重に耐える場合もあります。

また、接着強度は接着面積に比例して増加します。理論上、接着面積が4倍になれば耐えられる荷重も4倍になります。(例:接着面積2mm²で接着強度5kgの場合、接着面積が8mm²になれば接着強度は20kgになります。)

面積と接着強度の関係

試験片の模式図:Force Channel(株式会社イマダ) より引用

今回の試験片の接着面積は331mm²です。本記事では、破壊荷重を331mm²で割った「1mm²あたりの接着強度」も算出しているので、ご自身の接着面積で計算することで、用途に合った接着剤選びの目安として活用できます。

まとめ:強力に接着したいなら「EP001N」と「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」がおすすめ

本記事では、市販されている接着剤6種類を使用し、ABS樹脂と木材を接着した際の接着強度を比較しました。

その結果、最も高い接着強度を示したのは、セメダイン「EP001N」と、コニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」の2製品でした。いずれも接着面ではなくABS樹脂側が破損するほどの強度を発揮し、強度面ではトップクラスという結果になりました。

「EP001N」は耐水性に優れるエポキシ系である一方、混合の手間や色味の変化があります。「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」は混合不要・透明仕上げで扱いやすい反面、耐水性はありません。使用環境(水回りかどうか)、仕上がりの見た目、作業のしやすさを踏まえ、ご自身の用途に合った製品を選んでみてください。

最後に、今回の検証結果を一覧表にまとめました。「どの接着剤を選べばよいか」をすぐに判断したい方は、ぜひご活用ください。

ABS樹脂×木材の接着強度の一覧表

ABS樹脂と木材以外にも、ステンレス同士や木材とステンレスの接着強度についても同様に比較検証しています。素材の組み合わせが変わると、最適な接着剤も変わるため、これらの素材を強力に接着したい方は、ぜひあわせてご覧ください。

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