瞬間接着剤を選ぶときに「どれも同じに見えるけど、本当に強度に違いはあるの?」「安いものと高いもの、実際どれが一番強いの?」と迷ったことはありませんか?瞬間接着剤は種類によって強度に大きな差があります。用途に合わないものを選ぶと、すぐに剥がれたり、衝撃で割れてしまうことも少なくありません。
この記事では、市販されている瞬間接着剤6種類を同一条件で実際に接着し、強度を徹底的に比較検証しました。この記事を読めば次のことがわかります。
- 6種類の瞬間接着剤の強度の違い
- 1番強かった接着剤はどれか
- 用途別にどれを選べば失敗しないのか
筆者はこれまで、プライム市場上場企業で様々な接着剤を扱ってきました。その経験をもとに、初心者にも分かりやすく、信頼できる結果にまとめています。瞬間接着剤選びで迷う必要はありません。本当に強い1本をこの記事で見つけてください。
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接着剤強度の測定方法
結果をご紹介する前に、今回の強度測定の方法について説明します。すぐに結果を見たい方は、下記のボタンからジャンプできます。
今回はダイソーで販売されているステンレス製のフックと木製の工作材料(桐)を使用しました。各商品で接着後、24時間硬化させ、フックを剥がすのに必要な力(せん断方向)を測定しています。




瞬間接着剤は非常に強力なため、引張方向(垂直に引き離す方向)で試験を行うと、接着面が剥がれる前にフックや木材が破損してしまう場合があります。そこで今回は、接着剤同士の性能差をより正確に比較するため、せん断方向(接着面を横方向にずらす方向)に力をかけて接着強度を測定しました。
一般に接着剤のせん断方向の強度は引張方向の50〜70%程度といわれています。したがって、今回の結果は「この力で必ず剥がれる」という意味ではありません。引張方向に力がかかるような使い方ではさらに高い強度を発揮する可能性がある点にご注意ください。
また、接着強度は接着面積に比例して変化します。つまり、接着面積が2倍になれば、理論上は耐えられる荷重も2倍になります。そのため、適切な接着剤を選ぶには「どのくらいの面積で接着し、どの程度の荷重がかかるのか」を考えることが重要です。例えば、10mm × 10mm (100mm²) の面積で接着したフックに2kgの物を掛ける場合、必要な接着強度は2kg ÷ 100mm² = 0.02kg/mm² 以上となります。
今回のテストで使用したサンプルの接着面積は128mm²のため、記事内に記載している試験結果の数値を128mm²で割ることで、1mm²あたりの接着強度を算出しています。実際の接着面積や使用条件に当てはめながら、自分の用途に合った瞬間接着剤を選ぶ際の目安として、ぜひ参考にしてください。
強度測定結果
強度を測定した接着剤をランキング形式でご紹介します。
第1位 東亜合成「アロンアルフア201」

第1位は東亜合成「アロンアルフア201」です。強度は11.95kg (0.093kg/mm²)!

今回の検証では他の瞬間接着剤を上回り、最も高い接着強度を記録しました。「アロンアルフア201」は、ただ強力なだけでなく10g入りで価格は800円前後とコストパフォーマンスにも優れています。
また、2g×5本の小分けタイプのため、「中身は残っているのに、ノズル先端が固まって使えなくなる」といった瞬間接着剤あるあるを防げるのも大きなメリットです。必要な分だけ開封できるので、使用頻度が低い方や少量使いを想定している方にも最適といえるでしょう。
強度・使いやすさ・コストパフォーマンスのすべてに優れた、非常に完成度の高い瞬間接着剤。瞬間接着剤を選ぶなら、まず検討したい1本。
第2位 コニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」

第2位はコニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」です。強度は11.90kg (0.093kg/mm²)!パッケージ上のメーカーはコニシですが、家庭用「アロンアルフア」シリーズはコニシが販売を担当しており、実際の製造元は第1位の「アロンアルフア201」と同じ東亜合成です。

第2位とはいえ、破壊強度の差は第1位の「アロンアルフア201」とわずか0.05kg。実質的にはほぼ同等といえる高い接着強度を発揮しました。価格は2g入りで500円未満。1gあたりの単価は「アロンアルフア201」より高めですが、内容量が少ない分、購入時の支払金額は「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」のほうが抑えられます。
「強力な瞬間接着剤が欲しいけれど、使う量は少しでいい」「できるだけ初期コストを抑えたい」という方に、特におすすめの1本です。
「少量で十分・コストは抑えたい・それでも強度は妥協したくない」という方に最適な瞬間接着剤。
第3位 Henkel「ロックタイト 強力瞬間接着剤 ピンポインター 液状高耐久性」

第3位はHenkel「ロックタイト 強力瞬間接着剤 ピンポインター 液状高耐久性」です。強度は10.79kg (0.084kg/mm²)!

第1位・第2位の接着剤と比べると強度はやや劣るものの、日常用途としては十分に高い接着強度を記録しました。価格は5g入りで600円前後。内容量と価格は「アロンアルフア201(10g)」と「アロンアルフア EXTRA 速効多用途(2g)」の中間にあたり、「2gでは少し足りないが、10gも使い切れない」という方にちょうど良いバランスです。
また、先端ノズルが非常に細く、両側のボタンを押すことで接着剤を少量ずつコントロールして出せる構造になっています。そのため、はみ出しを抑えながら、細かいパーツや狭い隙間への接着が可能です。接着強度だけでなく、精密さや作業性を重視する方におすすめの瞬間接着剤といえるでしょう。
強度よりも、塗りやすさや細かい作業性を重視する方に最適な瞬間接着剤
第4位 KURE(呉工業)「ゴリラ スーパーグルー ジェル」

第4位はKURE(呉工業)「ゴリラ スーパーグルー ジェル」です。強度は9.25kg (0.072kg/mm²)!

第3位までの接着剤と比べると接着強度はやや控えめですが、日常的な用途であれば十分な性能を発揮しました。価格は3g入りで500円前後。「アロンアルフア EXTRA 速効多用途(2g)」では少し足りないものの、5gや10gも必要ないという場合に、ちょうど良い容量です。強度はほどほどで構わないので、コストを抑えつつ使いやすい瞬間接着剤を選びたい方に向いています。
強度は控えめでも、量と価格のバランスを重視したい方向けの1本
第5位 セメダイン「PPXセット」

第5位はセメダイン「PPXセット」です。強度は8.25kg (0.064kg/mm²)!

セメダインの公式サイトでも、木材には適さない接着剤と明記されており、その影響もあって、今回の木材を使った検証では接着強度は高い結果とはなりませんでした。
接着できないもの
引用)セメダイン公式サイト、PPXセット
ガラス、発泡スチロール、木材、油面や汚れた面、表面の劣化した面 等
ただし、この接着剤の本領はポリプロピレン(PP)などの一般的な瞬間接着剤では接着しにくい難接着素材に対応できる点にあります。実際、ポリプロピレンに対しては非常に高い接着強度を発揮しました。ポリプロピレンの接着強度についての詳しい検証結果は、以下の記事で紹介しています。
難接着素材のポリプロピレン等をしっかり接着したいことがメインで、木材なども「それなり」に接着できれば十分という用途であれば、選択肢に入る接着剤といえるでしょう。
一般的な瞬間接着剤では対応できないポリプロピレン等を接着したい場合に真価を発揮する1本
第6位 セメダイン「3000 ゴールド スリム」

第6位はセメダイン「3000 ゴールド スリム」です。強度は6.30kg (0.049kg/mm²)!

今回の検証では接着強度は6種類の中で最も低い結果となりましたが、その分価格の安さが大きな魅力です。価格は3g入りで300円前後と、今回比較した瞬間接着剤の中では最も手頃でした。高い強度は必要なく、軽い補修や仮止め、とにかく安く済ませたい用途であれば、十分に選択肢になる接着剤です。
強度よりも価格重視で選びたい方に向いた、低価格の瞬間接着剤
まとめ
今回は瞬間接着剤6種類を実際に使用し、同一条件で接着強度を比較しました。とにかく強力に接着したい方には、東亜合成「アロンアルフア201」が最適という結論になりました。高い接着強度に加え、コストパフォーマンスも良好で、小分けタイプによる使い勝手の良さも備えた、総合力に優れた瞬間接着剤です。
一方で、もう少し初期コストを抑えたい場合は、コニシ「アロンアルフア EXTRA 速効多用途」やHenkel「ロックタイト 強力瞬間接着剤 ピンポインター 液状高耐久性」も十分に有力な選択肢となります。特に「ロックタイト 強力瞬間接着剤 ピンポインター 液状高耐久性」は強度と作業性のバランスが良く、細かい作業や精密な接着を重視する場合におすすめです。
瞬間接着剤選びでは「どれが一番強いか」だけでなく、「自分の用途に合っているか」を基準にすることが重要です。本記事では、比較結果を一覧表としてもまとめていますので、使用条件に合わせて最適な瞬間接着剤を選ぶ際の参考として、ぜひご活用ください。








