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傘の持ち手の修理方法【ポリプロピレン(PP)の接着】

アイキャッチ 傘の持ち手の修理方法 修理
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「傘の持ち手が取れてしまったけど、接着剤で本当に直るのか不安…」そんな悩みを抱えていませんか?

傘の持ち手は水に濡れるうえ、引っ張りやねじれの力がかかるため、接着剤の選び方を間違えるとすぐに外れてしまいます。さらに、持ち手に使われることが多いポリプロピレン(PP)は接着が難しい素材で、市販の接着剤では「べたつきが残る」「水に弱く剥がれる」といった失敗も少なくありません。

そこで本記事では、接着業務に10年以上携わってきた現役技術者の筆者が、べたつかず・水に強く・しっかり固定できる接着方法を実際に試した工程をもとにわかりやすく解説します。

傘の持ち手の修理はもちろん、おもちゃやキッチン・浴室まわりなど、ポリプロピレン製品の補修にも応用できる内容です。DIY初心者の方でも再現できる方法なので、ぜひ参考にしてみてください。

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使用するのはセメダインの「プライマーPP7F」と「スーパーXゴールド」

プライマーPP7F(写真左側)とスーパーXゴールド(写真右側)の外観

今回使用する接着剤はセメダインの「プライマーPP7F」と「スーパーXゴールド」の組み合わせです。結論から言うと、ポリプロピレン(PP)をしっかり接着するには、この組み合わせが最も安定します。

ポリプロピレンが接着しづらい最大の理由は、表面が液体をはじく性質(疎水性)を持っているためです。接着剤をそのまま塗っても弾かれてしまい、十分に密着せず、すぐに剥がれる原因になります。

そこで必要になるのが「プライマーPP7F」です。これは接着前に塗布することで、ポリプロピレンと接着剤の両方になじむ層を作り、密着性を大きく向上させる下地処理剤です。

実際にセメダイン公式でも、「プライマーPP7F」を併用することで弾性接着剤でもポリプロピレンの接着が可能になると説明されています。

PPへの接着性を改善する下地処理剤「プライマーPP7F」である。これは、PPと接着剤の樹脂双方に親和性の高い化合物を配合したプライマーを使用する方法を利用したシステムである。併用することで、スーパーX等の弾性接着剤でもPPを接着することが可能になる。

出典:セメダイン公式サイト

そして、この方法の最大のメリットは「スーパーXゴールド」をポリプロピレンに使用できる点です。「スーパーXゴールド」は、以下の特徴を持った接着剤です。

  • 硬化後にべたつかない
  • 水、衝撃、熱に強い
  • 透明で仕上がりがきれい

これは傘の持ち手のように水に濡れたり力がかかる部位に最適です。

通常はポリプロピレンには使えませんが、「プライマーPP7F」を併用することで、その性能をそのまま活かせるようになります。つまり「接着しにくいポリプロピレン」×「耐久性が必要な環境」でも安定して使えるのがこの組み合わせです。

市販の接着剤には多くの種類がありますが、以下の接着剤はおすすめできません。
・木工用ボンド:ポリプロピレンとの相性が悪く十分な強度が出ない/乾燥後も白く残り見た目を損ねる/耐水性が低く水濡れで剥がれやすい
・PPXセット(ポリプロピレン対応の瞬間接着剤):一時的には付くが耐水性が低く、水濡れ環境では剥がれやすい
・スーパーXハイパーワイド:ポリプロピレンに対応しているものの、硬化後にべたつきが残るため持ち手用途には不向き

ポリプロピレン製の傘の持ち手を接着する手順

ここからは実際に、写真のように割れてしまったポリプロピレン製の傘の持ち手を接着する手順をご紹介します。しっかり接着するためには、正しい手順で作業することが大切です。

持ち手が壊れた傘

ステップ1:接着面の汚れを除去する

まず持ち手の接着面をエタノールを染み込ませたキッチンペーパーで軽く拭き、油分や汚れを取り除きます。これを省くと接着力が大きく落ちてしまうので、必ず行いましょう。

傘の持ち手の接着面の汚れをエタノールで除去している様子

ティッシュは逆に毛が付くので必ずキッチンペーパーを使用しましょう!

キッチンペーパーに染み込ませるエタノールは、70%以上の高濃度タイプを使用してください。高濃度エタノールは油分を効率よく溶かして除去できるため、接着面の脱脂に適しています。

おすすめはサイキョウ・ファーマの「エタッシュナチュラル消毒液」です。高濃度エタノールを使用しており脱脂力が高く、ポンプタイプで使いやすいのが特長です。
 【安全上の注意】エタノールは引火性があります。使用時は必ず換気を行い、火気のない場所で作業してください。

ステップ2:接着面に「プライマーPP7F」を塗布する

接着面をきれいにしたら「プライマーPP7F」を塗っていきます。キッチンペーパーなどに「プライマーPP7F」を染み込ませて接着面を拭いていきます。

「プライマーPP7F」には溶剤が入っているため、必ず屋外や換気された場所で塗りましょう!

プライマーPP7Fをキッチンペーパーに染み込ませている様子
プライマーPP7Fを傘の持ち手の接着面に塗布している様子

ステップ3:接着面に「スーパーXゴールド」を塗布する

「プライマーPP7F」を塗ったら直ぐに「スーパーXゴールド」を塗布します。付属のヘラを使用すると均一に塗ることができます。

傘の持ち手の接着面にスーパーXゴールドを塗布している様子
傘の持ち手の接着面に塗布したスーパーXゴールドを付属のヘラで塗り広げている様子

ステップ4:1分間放置する

「スーパーXゴールド」を塗布した後はすぐに貼り付けず、1分ほど置くのがポイントです。こうすることで接着剤が空気中の水分と反応して粘りが出て、より強力に密着します。

ステップ5:接着面を圧着する

1分間経過したら接着面を圧着します。手を放しても外れないようにするには数分間圧着する必要があります。

スーパーXゴールドを接着面に塗布した傘の持ち手を圧着している様子

ステップ6:24時間以上おいて接着剤を完全に硬化させたら完成です

「スーパーXゴールド」は完全に硬化するまで24時間必要です。しっかり乾燥・硬化させることで剥がれにくくなるので最低でも24時間はそっとしておきましょう。接着剤が完全に硬化したら完成です。べたつきもなく、しっかりくっついています。

プライマーPP7FとスーパーXゴールドを使って修理した傘の持ち手の外観

まとめ

ここまで解説してきたように、ポリプロピレン製の傘の持ち手でも、正しい方法で接着すればしっかりと修理することができます。

実際の手順は以下の通りです。

  1. 接着剤は、べたつかず水に強く透明に仕上がる「スーパーXゴールド」を使用する
  2. ポリプロピレンを接着できるように「プライマーPP7F」を併用する
  3. エタノールで接着面の汚れや油分を丁寧に除去する(密着性を高めるため)
  4. 接着面に「プライマーPP7F」を塗布する(溶剤を含むため必ず換気を行う)
  5. 接着面に「スーパーXゴールド」を適量塗布する
  6. 約1分間放置して粘りを出す(密着力を高めるため)
  7. 接着面同士をしっかり圧着する
  8. 完全に硬化させるために24時間放置する(触らず固定するのが重要)

ポリプロピレンは接着が難しい素材ですが、「プライマー+弾性接着剤」を組み合わせることで、日常使用にも耐えられる強度でしっかり固定することが可能です。

今回ご紹介したようにポリプロピレンは接着が難しい素材です。ポリプロピレン用の接着剤6種類を実際に比較し、強度を検証した記事もあります。どの接着剤を選ぶべきか迷っている方は、こちらも参考にしてみてください。

【徹底比較】プラスチック(ポリプロピレン)に使える接着剤6種類の強度を検証
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