お気に入りのストラップがポキッと折れてしまった経験はありませんか?「まだ使えるのに買い替えるのはもったいない」「自分で直したいけど、どの接着剤を使えばいいのかわからない」、そんな悩みを感じている方に向けた記事です。
実は、プラスチック製ストラップの修理は接着剤選びと正しい手順さえ押さえれば、見た目を大きく損なわず、十分な強度で直すことができます。
この記事では、プライム市場上場企業で接着業務に携わっている筆者が、経験をもとに、プラスチックの接着剤による修理方法を写真付きで解説します。「初めて自分で修理する方」でも再現できる内容なので、大切なストラップをこれからも安心して使い続けたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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使用する接着剤
今回のプラスチック製ストラップの修理に使用するのは、セメダイン「PPXセット」です。この接着剤は、セットに含まれるプライマー(下塗り剤)を併用することで難接着のプラスチック(PPやPE)に対する接着力を大幅に高められるのが最大の特徴です。

プラスチック製ストラップに多く使われているPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)は、一般的な瞬間接着剤や多用途接着剤ではほとんど接着できません。PPXセットは事前にプライマーを塗布することで、本来くっつかないプラスチックを接着できる状態に変えられるのが大きな強みです。
さらに、接着剤自体は硬化後も透明なため、修理跡が目立ちにくく、ストラップの見た目を損なわずに仕上げることができます。強度と外観の両方を重視したいプラスチック修理には、非常に相性の良い接着剤です。
接着手順
ここからは、プラスチック製ストラップを強力かつきれいに修理するための接着手順を詳しく解説します。接着剤の性能を最大限に引き出すには、手順を省かず、順番どおりに行うことが重要です。
ステップ1:接着面の汚れ・油分を除去する
まずは、接着する部分に付着している皮脂・油分・ホコリをしっかり取り除きます。この工程が不十分だと、どれだけ性能の高い接着剤を使っても、本来の接着力を発揮できません。エタノールをキッチンペーパーに染み込ませ、接着面を丁寧に拭き取りましょう。

ティッシュペーパーは繊維が残りやすく、逆効果になるため使用しないでください
おすすめは、サイキョウ・ファーマの「エタッシュナチュラル消毒液」。高濃度エタノールで脱脂力が高く、ポンプタイプなので作業中も扱いやすいのが特長です。

ステップ2:接着面に専用プライマーを塗布する
脱脂が完了したら、付属の専用プライマーを接着面に塗布します。このプライマーが、PPやPEといった通常は接着できないプラスチックを接着可能な状態に変える重要な役割を果たします。塗り忘れると接着強度が大きく低下するため、必ず両方の接着面に塗布してください。

プライマー塗布後、1分以内に接着剤を塗ってください。
ステップ3:接着剤を塗布する
次に、接着剤を塗布します。接着面の両方に1〜2滴を目安に塗りましょう。塗りすぎると、硬化時に白化(白く濁る現象)が起こり、見た目を損ねる原因になります。「少なめ」を意識するのが、きれいに仕上げるコツです。

ステップ4:接着面を貼り合わせ、固定する
接着剤を塗ったら、位置を確認しながらゆっくり正確に貼り合わせます。一度ずれると修正が難しいため、焦らず慎重に行いましょう。貼り合わせた直後はまだ完全には固まっていないため、1〜2分程度は軽く押さえたまま固定します。ここで手を離してしまうと、接着不良の原因になります。

ステップ5:24時間以上置き、完全硬化させる
「PPXセット」は、約30分ほどで触っても動かない程度まで硬化します。ただし、内部まで完全に硬化するには時間が必要です。カバンや鍵など、負荷がかかる状態で使用する場合は、必ず24時間以上置いてから使用してください。
まとめ
プラスチック製ストラップは、適切な接着剤と正しい手順で作業すれば、自分でも十分に修理できます。今回紹介した接着手順を、もう一度まとめると次のとおりです。
- 接着剤はセメダイン「PPXセット」を使用
- エタノールで接着面の汚れ・油分を除去
- 付属の専用プライマーを接着面の両方に塗布
- プライマー塗布後、1分以内に接着剤を塗る
- 割れた面同士を正確に貼り合わせる
- 24時間以上置いて完全硬化させてから使用
特に重要なのは、「プライマーを使うこと」と「完全硬化まで待つこと」です。この2点を守るだけで、修理後の強度と耐久性は大きく変わります。
なお、PP(ポリプロピレン)などの難接着プラスチック向け接着剤は複数の種類が販売されています。「結局どれが一番強力にくっつくのか?」については、別記事で実際に比較・検証していますので、接着剤選びで失敗したくない方は、ぜひあわせてご覧ください。

